「なぜうちの子は本番に弱いのか?」手塚一志

3話 なぜ、ほめてはいけないのか?
19話 「伸びる選手、止まる選手、迷う選手」

 揉む能力の有無。これを持っているかいないかが、長い時間一流で
居続けられるか、それとも一瞬のきらめきだけで消えていってしまう
選手かの境界線となります。
 言い換えれば、「伸びる選手」と「止まる選手」の分岐点です。伸
びる選手は、盗んで入れて揉んで同化させます。なので、新しいモノ
に出会う度に自分を深化させていけるのです。というかそうでないと、
今スポーツ界全体が世界レベルで深化し続けている現状では、たとえ
ゴールドメダリストといえども4年後に同じパフォーマンスレベルで
戦っても予選敗退という結果にならない保証はどこにもない、そういう
恐ろしい時代なのです。

 一方、止まる選手は、例の快感が忘れられずに昔を追い続けます。
もしその過程で偶然新たな上達法に出会ったとしても、試してみて
「あの(自分の知っている)味とは違う」と感じるとすぐに吐き出し
てしまいます。これがくり返され時間だけが過ぎていくのです。だか
ら彼らは、身体が若いぴちぴちの頃がパフォーマンスのピーク期とな
り、それ以降伸びが止まってしまいやすい傾向にあります。

 そして、一度も成功できないのが例の幼い頃から教わる≠アとに
慣れた選手です。彼らは、人から新しいことを教わるたびにそれをそ
のまま試してくれる性格のいい愛すべきヤツらです。ただ、性格はい
いのですが本番では頼りになりません。彼らの多くは、揉む力が欠落
しているため、新たなモノを取り入れるためには、これまでの運動回
路をいったん捨ててからになってしまうのです。これだと自分の強み
もいっしょに消し去ってしまいます。結局中途半端になることが少な
くありません。また、リセットしてしまった元のやり方にも戻れない
危険性も併せ持っています。そうこうしているうちに、また次の教え
に捕まるでしょう。そこでまた新しい別のことを教えられ、いじられ、
どんどんと本来の自分≠フパフォーマンスを見失って行くのです。

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