「なぜうちの子は本番に弱いのか?」手塚一志

3話 なぜ、ほめてはいけないのか?

15話 違和感とのつき合い方

 選手にとって上達のための新たなヒント≠ニは、たとえそれがと
ても効果の高いものであったとしても、最初は異物的なあつかいを受
けることが少なくありません。
 「違和感はあります。」
 この手の発言、これまで担当してきた選手たちから何度となく聞か
されてきました。
 いまとりたてて新しいモノ(技能)を欲してはいない。そういうタ
イプのプレ
ーヤーは、たとえそれがとても価値あるトライであったと
しても、試みたあと、この言葉をボクに返してくることがよくありま
す。

 ここで大事なのは、違和感が≠るのではなく、違和感は≠
るという表現です。  
 はた目には「おっ、その方がいいジャン。さっきよりスムーズにな
ったしバランス
も良くなった」と見えたとしても、かならずしも本人
にとって痛快だとはかぎりませ
ん。
 「今のはたしかに上手くいったかもしれないけど、これは自分の求
めている感覚じゃないなあ・・・」という意味で違和感≠感じ取
っているのです。結果よりも自分の感覚重視。こういう選手は競技レ
ベルに関係なく、少なくないと感じます。

 気持ちはわかります。もしこのトライが、彼のパフォーマンス向上
に深く関与する大切なことであったとしても、自分がこれまで使い慣
れた運動回路をジャマする試みであれば、とうぜん心地よさは付いて
きません。つまり、彼らのカラダの奥には彼らにしかわからない感覚
と、長い時間の中で確立され固まった別の運動回路が保存されていて、
良くも悪くもゲームの中ではいつもそれを取り出してプレーしてきた
のです。
 だから、それより効率の良い運動回路を試してみたところで、また
かりにその結果が良い方に出たとしても、それはやはり「違和感ある」
やり方として自らの脳が処理してしまうのです。


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